JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
南の果てに着いた太陽が、もう明日から春に向かって北に戻り始めます。
我が家から見る南回帰線は、ちょうど南アルプスの笊が岳。夏至には甲斐駒よりずっと北上します。一年をかけて太陽は南アルプス全山を往復するわけです。
冬至というのはその折り返し点であり、他の歳時記とは違って、れっきとした天文学上の、壮大な分岐点なんですね。なんでこれを元旦にしなかったんだろうと思います。
古代人は、暗く寒い冬から、暖かい春に向かうこの分岐点を待ち焦がれ、神聖な日としていたことが、数々の遺跡からうかがえます。
私はというと、活動的な季節へ向かうのはなんとなく嬉しくなく、夜明けや夕暮れを堪能でき、縮こまっていられる(笑)この季節が好きです。
寒々とした広河原から、下山する数人の登山者を乗せ、甲府行き最終バスにのった。
もうほとんど暗くなった芦安駐車場につくと初老の登山者が訊いてきた
「駐車場はここでしょうか」 閑散として暗いので不安になったのだろう
「ここしかないですから大丈夫ですよ」 そう答えると「ありがとう」と降りていった。歩いて行くその先にステーションワゴンがポツンと置いてあった。
単身赴任先の静岡から、遠路北陸の能郷白山に向かった。
この頃は森林限界が低くメルヘン的な北陸の山に惹かれていた