JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
This is a static page.
30年近く前だろうか、日本典型という写真集があって、その新たな視点に惹かれた。
たしかイギリスに住んでいた写真家が日本の風景をみて、当時の乱開発ぶりに驚く。
まるでゴミ溜めのようだと言った記憶がある。
その風景に対する無神経さは今でも同じであるが、そこはさすがの表現者、
逆にその異様さのなかに造形の妙を見いだし、8x10インチのカメラで撮った写真集だった。
宅地造成の基礎や山を削って道路建設の造成、その基礎部分の造形と自然の不調和を描いていた。
午前3時半に家を出るときは曇っていた
ラジオから流れる旧い曲が心に沁みる
甲府を過ぎるころハンドルを握る手がほの白い
見上げると仲秋の名月のなごりの月あかりが車内に満ちて今日の晴天を告げる
始発の芦安バス停に着くころ、金星があかるく東の空が白みはじめる
パープルのカーディガンの遠慮がちな物腰が母に似ていた
腰の曲がり具合、受付の人の言葉にうなずく従順さ、謙虚さと静かさ…
それは母の気配、母の感触である
今年最後の満月。三角コンバの稜線より上がる
夜來の雨があがり 澄んだ空に緑が映え 艶やかなオレンジのバスが待機する
JR小海線のハイレール1375(鉄道最高地点1375mを走る故の命名)のチケットを息子が手に入れ八月末に乗った。
出発したJR中央線山梨市駅は郷里の駅、私は18歳でここから社会へ巣立った。