2026-01-2116:32

忘れ得ぬ山 八ヶ岳の深い夜 シンクロニシティ

…山の先輩の森永さんと八ヶ岳の登山を終え.車中泊した時のこと…

午前2時ごろだったろうか.コンコンとガラスを叩く音がする.見ると登山者らしき人が.

「すいません」という手振りをしている。窓を下げると

「仲間が苦しんでいるので水を分けて欲しい」と言う。

見るとランプの明かりの中.四人ほどの登山者の真ん中に人が横たわっている。

「わかりました」.とトランクの中の水を取りに行こうとすると.助手席で寝ていた森永さんがドアを開けて外へ行く。  

 私とのやり取りを見ていて.トランクにあるポリタンを取りにいってくれるらしい。

「いまトランクから水を持ってきますから」

…そう言おうとして窓を見た   …そこには誰もいなかった。

外に横たわる登山者も.それを見守る仲間たちもいない

…薄暗い地面があるだけだった。

…いまの仲間を救おうとする登山者とのやり取りは

夢だったのか…

私は戻ってきた森永さんに 今のことを見たのか聞こうと思ったが 言葉を飲みこんだ。

時間が経つにつれ単なる夢に思えてきたし.予科練出身の森永さんはこういう話しには取り合わない。

いつも苦笑するぐらいであり.それは私の神経の細さを笑ってるようにも思える。

たしかに自分でもそう思う。私の臆病さがこういう夢になるのだ…

しかしこの森永さんの行動との一致はなんだろう

…単なる偶然の一致

…それしかない.他になにがあるというのか。

…夜明けにはまだ間がある.

再びシュラフにもぐり込んで浅い眠りを得ようと目を閉じる…

   山の深い夜に.私の細い神経が尖り.なかなか熟睡はできない

2014/2/15

カテゴリー: all | 執筆者: Toshio Kazama