2010年10月15日 22時12分 | カテゴリー: ツーリング2010

最低の夜だったなあ〜と、雷雨避けたからそうでもないか

10年に一度行くかいかないかの富山。オヤジの故郷。どうも母方の親戚との縁は深いんだが、オヤジが早く死んだせいもあってか父方の親戚とはほとんど行き来がない。唯一、といっていいぐらいなのが高岡のご本家。せっかく地元をぬけて能登半島にいくにあたっては俺にしてはめずらしく図々しくもやっかいになることにした。

水族館のジンベイザメ

で、飲み過ぎた翌朝、見送られてあこがれの能登半島に出発。はて、なんであこがれ? 理由は・・・ないなあ。ナナオのモニター、昔たかかったのを無理して買って10年使ったから?それとも高校時代に読んだ松本清張のミステリーで、最後に犯人の女性が海にこぎだしていく、あれかなあ。 ともかく、北海道の次に行ってみたかった土地なんである。いや、まてよ、ほんとにそうかな。四国だって九州だっていってないぞお。ま、いいや。5本の指にはいる「行きたかった土地」。

朝、ナビをいい加減に能登島にセットして走り出す。すぐブリで有名な氷見市。さらに漁村風景がつづく岸辺を走る。こりゃいいよ。なんだか昭和の時代そのままの景色だもの。ま、ところどころにおおきなホテルとか他省有るけど、よくあちこちにある海辺の観光地のような風景ぶちこわしってほどじゃない。むしろ適当にふるびた民家が軒をならべて懐かしい光景。

ただおもったよりでかい。能登半島、っていうけど「能登の国」ともいうぐらいだから、昔、徒歩の時代にはここは堂々たる一国をなしていたわけで、これだけでひとつの県だ、ぐらいにおもっていたほうがいいのだろうな。ナナオ市は海をいだいた美しい地形の大きな町。住みやすそうだね。ここをぬけて能登島にいくとおおきな水族館がある。入場料1800円なり。ジンベイザメをみるのにねえ。ま、こういう施設維持にはスゴイ銭かかるからお賽銭だとおもって入場。見事といえばみごとだが、門外漢だから・・・。でもこういう施設があるのは子供達にはいいことだ。

さらに北上。腹減ったなあ。ここまできてコンビニもなんだから、と素通りしてきたが、もう2時になっちゃうから道路脇のパッとしない食堂にはいって、1000円の烏賊焼き定食を頼む。1000円って高くないかしら(・・?)。でもイカがたくさんでてきたし、イワシのつみれ汁にゴボウの笹掻きをいれたのは妙にローカルな味でよかった。

まもなく、観光バスが何台も角をまがるので「見附島」というのを見に自分も曲がってみた。沖合の島がたしかにおもしろい恰好で前から見ると汽船にみえる。まあめずらしいといえばそうだが、わざわざここまでバスで見に来るかなあ。観光旅行、それも団体さんのはいまいちようわからん。

ここからはライダーらしく「岬のさきっちょ」を目指す。まだまだあるなあ。ほんとうにこんな遠いのかしら、とおもいはじめたころ突端らしいへんな昔の灯台のような黒い建物と「ランプの宿」とかかれた看板のあるところへでた。これが地図によると能登の突端らしい。でもランプの宿ってなんかえらく立派だし、灯台もどきの建物は「某月某日ナカタ選手がパワースポットを体験にいらっしゃいました」なんて書いてあるぞ。ナカタ選手は尊敬すべき存在だが、しかしこの張り紙になんだか興ざめして、200円払わず、そのままUターン。パワースポットは体験せず。

今晩の寝場所をさがしにいく。これが難物だなんておもいもしなかったよ。一番近くのキャンプ場は縄がはってある。つぎのキャンプ場は立派な施設なのになぜか無人で鎖で閉鎖されている。おいおい。どうなってるんだよ。しょうがない。まだ日が明るいし、道はアップダウンとカーブが激しくて交通量はまるでないから、おもしろいし、いっそ跳ばして輪島のキャンプ場までいっちまえ。ナビに「輪島」といれると「輪島エコロジーキャンプ場」ってのがあったからいい加減にそこを目的地にして出発。4時半を回ってる。

これがねえ、輪島には予定通り5時過ぎには着いていたんだが、そのキャンプ場は輪島からさらに10kmぐらい西にあるんだ。もう暗い。いけどもいけどもつかないな。いくつもの小さな漁村をぬけてどんどん高度をあげてやっとこ着いたら、あらら、ここもロープで閉鎖じゃないの。冗談でしょ。6時前だよ。いまごろ他をさがすわけにいかんし、輪島からとばしてきたみちも相当きょりはある。あの崖っぷちのカーブをまっ暗ななか戻る気はない。ここに泊まるしかない。

ここでわがセロー君の本領発揮。軽く、足つきが良く、オフ車だからロープで封鎖された横の雑木林をなんなく突っ切ってキャンプ場に侵入成功。もうまっ暗。だれもいやしない。けど、しょうがない。「遅く着いた人は明日の朝に」なんてペンキで書いてあるし、ま、いいや。でも電気もないねえ。最後のあかるい雲の反射がきえるとまっ暗。どうせ誰もいないなら、平湯で女の子がやってたけど、いっそ調理場の建物の中にテントを張ってしまおう。

これ大正解。夜中に突然のはげしい雷雨。うっかり表にテントはってたらびしょびしょになるところ。テントが濡れると干して畳むとか面倒なんだ。でもこの炊事棟のなかなら全然平気。そのかわり雷がすごくて全然ねむれなかった。まっ暗でトイレもどこだかわからないから、もっぱら立ちションベン。米たいてキャンベルのスープかけて晩飯にしたがマズイ。食事関係はまったくいいかげんに缶詰もってきたのがいけなかったね。それも残り物ばかりだから、スッポンのスープだのホテルオークラのトマトスープだのモノは悪くなくてもバランスが全然とれてない。

熊でもでそうな無人のキャンプ場でマズイ飯くって雷雨で寝られず、この旅では最低の夜だった。今年3度のキャンプツーリングでも最低を争うレベル。なに、みんな事前調査なしの行き当たりばったり旅派の自分の責任だけどな。

執筆者: Jun