ヘチマが逆襲してきた。今朝になってカミサンがヘチマを水洗いしていた別棟の洗面所に行ってみると水があふれて浴室大洪水。「大変」とカミサンが叫んだのは10時頃。きのう午後、煮たあとずっと洗面所で沐浴させていたヘチマの群れを、カミサンは懸念していたが、我が輩は江戸時代以来の「ヘチマは水に漬ける」という伝統がココロのどこかにあったから。暢気に「一晩ぐらいええか」とそのまま水浴びてさせておいた。
しかし、無惨に3つ胴斬りにされたヘチマどもはひそかに恨みをもって復讐の機会を狙っていた。夜中に身体中に水をたっぷりふくんでふくれあがり、互いにおしあ いへしあいすることによって浮き上がり排水口をおさえつけ、見事に水を洗面台の外に流し放題にした。いや〜、床は大洪水。おそらく風呂桶いっぱいの水がこ ぼれたろう。バスタオルとゾウキンの山をどさっとなげてもたちまち水をすいこんでべしょべしょだったからね。
後始末におわれる中、カミサンが床下収納庫をあけたら、そこも水でいっぱいだった。あいにくの雨でこりゃ、今日中には乾きそうにないや。パンツいっちょで バケツで汲みだし排水作業はまるで台風被害だね。
ところでこの床下収納庫にぎっしりつまっていたのが、義母が生前使っていた洗剤類。その数は30種類ちかく、まだしっかり残っていた。なんかマツモトキヨ シで買い占めでもしたぐらいありとあらゆる洗剤があるな。床や家具、浴槽、トイレ、キッチン、レンジまわり、窓ガラス、鉄錆落とし、アルコール、脱臭剤 etc。うーむ、すごい。これがいつもピカピカにしてあった義母の「武器庫」だったのだ。 うーむ、これはスゴイ。
これはひょっとすると昨日、「ゾーキング」のフィールドが狭い、などとぼやいたのを天国から聞いていた義母が「あら、そんなことないわよ。これつ かったら」とヘチマを通じてプレゼントしてくれたか。これだけの装備をつかいこなす、というのは確かに、街乗りとフル装備ツーリングぐらいの違いはありそ うじゃないか。
夕方、早速やってみる。まず「マイペット」二種類。床用と「かんたんマイペット」。床用はスプレーして10分後に拭くだけ、とある。これを板敷きに撒いて から、さあスタート。ゴシゴシ、それそれ、もっとゴシゴシ。なーるほど、こりゃ負荷がが違う。水で搾ったゾーキンによるゾーキングだとせいぜい2往復ぐら いでおしまいだが、スプレーした薬剤を伸ばして広げ、それを拭き取るという動作はどうして10往復ぐらいしないと。つまり「拭く」と「磨く」の動作の違い があるわい。
これによって同じ広さの部屋でも身体を5倍動かすことになる。おおスゲ約1時間、しっかり両膝にウォークマンで買ったペンキ塗り用の膝当てをして両手を使って身体を立て、インナーマッスルでおおきく左右に車のワイパーのように身体を動かす。一部屋やっつけただけでも満身 大汗になる。これならダイエット効果は期待できそうだ。
さらに20余種類のスプレーだの薬剤だのがあるから、それらをひとつひとつ攻略してけば、きっとダイエットの目標をゾーキングで達成できるにちがいない。 義母の”遺産”はダイエットの必要装備にちがいねえ。うむ。感謝。ヘチマの成仏を祈るぜい。
体重は掃除後で72.8kg。ありゃ前日より200gふえとるがな。
執筆者: Jun