2006年04月25日
コンピュータの熱問題

やってきました暖かい日々。冷え込んだ冬には気にならなかった温度の問題が、冬の間に溜まった冷却フィンの埃とともに一気に襲いかかる季節。Macに主軸を移した身には、この年中行事も「あぁ、またか、面倒だなぁ」と感じられる。

Windowsを比較的多用しているスタッフのマシンが先に、今年の温度問題を起こしたが、私のマシンも同様だった。CPU温度はすぐに75度に達し、予告もなくシャットダウンされてしまう。これで仕事になるわけがない。明日にでもクーリングファン周辺の分解清掃にかかる予定だけれど、その前に…
なんとか面倒な作業を延命できないかと考えて、BIOSでクロック自動の設定に変えてみた。こうすると、熱などの条件に応じてマシン側で自殺に至らないように調整してくれるのだが、調整するのは「クロック」。結果、2.8GHzのマシンが1.4GHzでしか使えなくなった。なんか、PentiumII 450MHz Dualの時代に戻ったような気分 ─ いや、実際にはPentiumIIにBXマザーの組み合わせのほうが遥かに安定して動いていたから、退化だ。

かといって、水冷化するとなると安くて1万円+。高ければ4万円以上の出費になる。今更、Windows機に出費を重ねる気分には、到底なれそうにない。 :-(

Apple Insiderによれば、AppleがMacBookProのRadeon X1600 Graphic Cardについて、ブートキャンプでのデュアルブート化に伴って34〜41%クロックダウンするよう設定変更していたそうだ。電源で30分、使用可能時間が縮まるのが理由だというが、実際には、発熱が凄かったという理由のほうが大きいのかも知れない。Apple Insiderのレポートでは、あるユーザーが実際にこのキャップを取り払ったところ、ファンは2秒もすれば回りっぱなしになったという。ま、それでもCPU側は耐えているわけだろうけれど。

PC/AT=Wintel機というのは、まだまだ本当に熱の問題が片付きそうもないんだナと、改めて思う。世にあるマシン群はファンのお化けのようにうるさいか、水冷のどちらかだ。それも、自作用では酔狂なほど大きな水冷タワーを外付けするものまである。液体窒素などの話はオーバークロック大流行の時代に始まったけれど、どうも現実になるんじゃないかなんて思えてくる。Vistaが発売されて64bitになったらなおさらじゃないのかなぁ。 :?:

最近仕事で某所データセンターのサーバールームに入る機会があるのだけれど、そのうるさいことといったら、ない。それはそれは凄い数のファンが、常時21℃の空調とともに働いている。じゃあ、それらのサーバーがそれほどの電力を食いながら温度を下げ続けないといけないほどの仕事をしているのかというと、甚だ疑問が残る。置き場所を稼ぐためにブレード型になり、冷却はラック側にも依存するようになり、ラックは室温に依存する。一方、我がメイン機のPowerMacG5ときたら、必要な時以外はいたって静粛。そこで、部屋を空調するより、いっそのことサーバーラックに水冷機能を与えるなり、熱を一括して熱をどこぞへ逃がす設計を施したらどうなんだろう、と思う。なんせあのサーバールームときたら、数時間いれば十分難聴になれる騒音レベルで、労災の証明に苦労することはなかろうと思うほどだ。

それに、都心にサーバールームを作って何が嬉しいんだろうとも思う。どっか田舎に作って、定年後再就職の爺やが番をして、電話すると「へいへい」とリブートしてくれたり、現役時代のワークフレームの経験を活かしてアドバイスしてくれたりしたほうが、誰もいないのと一緒のデータセンターなどよりよほど気が利いている。どうせリモートアクセスで普段の用は事足りるし、出向く必要のある時に出張すれば、お土産にそのあたりでとれたものでも手に入れば、苦行もまた愉しってなものだ。駐車場なんてセコいこと言わずとも、どこにでも停めておけといわんばかりの敷地のど真ん中に藁葺き屋根があって、その地下がサーバー室、とかね。そうすりゃ夜中でも、電車の時間なんぞに関係なく現地に行けるし、帰ってもこれる。仕事はネクタイ締めてやるもんだと思っているかも知れないが、サーバ−のお守りは24/7/365。船の長い航海と一緒で、普通の感覚でやっていられるモンじゃあないのだ。

CPUクーラーに詰まった埃
ま、それはさておき、熱問題。本当に出るのかと良く言われるVisitaだが、よしんば出たところで、熱問題はどうなのだろうという疑問が頭をよぎる。低温火傷になるから膝に乗せて使うなってノートパソコンもあった。64bit化で逆に、チップセットのボトルネック解消が温度上昇を抑えるだろうか。全ては出てみなくちゃ分からない。分からないけれど、このPowerMacほど静粛に動いてくれはしな…いんじゃないかなぁ…。さ、先の話はさておき、掃除そぉじ…。(写真右 CPUクーラーの冷却フィンを詰まらせている埃。PentiumIIでも、あのケースの中のフィンが詰まって冷えなくなっていた。無論、分解清掃すると途端に温度は下がる。知らずに寿命かと思って買い替えた人もいるんだろぉねぇ…)
by DIGIBEAR