ZD Netが伝えるところによると、Windows Vista Ultimateユーザーの1人は、アップデートをインストールしたところPCの調子がおかしくなり、ハードディスクの再フォーマットを余儀なくされ、すべてのファイルとプログラムを失った。このユーザーはダウンロード販売版を入手していて、CDでの修復セットアップができないらしい。また、このアップデートを既にインストールしているのに、引き続きWindows Update」によるインストールを促すメッセージが表示されるというケースが二件。新型Dell Inspiron PCでもアップデートによる問題が発生しているという。
問題は、先週リリースされたアップデート“KB937287”にまつわるもので、「Windows Vista SP1を問題なくインストール、アンインストールするためにすべてのバージョンのWindows Vistaで必要」なのだそうだ。Nick White氏のブログの記述によれば、MSはこのエラーに関する報告を受けて、これ以上のユーザーへの影響を食い止めるため、直ちに今回のアップデートの自動配布を一時的に停止する決定を下し、米国時間2月20日に自動配信を停止した。問題の発生原因については調査中だそうだ。
Windows OSでトラブルが起きた場合に、OSが入っているドライブにあるファイルなどを救う手だてがなくなることは良くあった。だから、私自身、重要な情報は必ず他のHDDやCD、DVDなどに保管する癖がついているし、お客様や友人にもそう勧めている。OS自体についても、賢明な業務目的のユーザーはXPやWindows2000に留まっていたり、Windows2003サーバーを導入するなどしている。しかし、市中でビギナーが入手するのはVista。比較的安いXP機を選ばず敢えて高いVistaを買ったのに、それが自動アップデートによって壊されたとあれば、ユーザーの怒りも当然だろう。
2008年02月21日
MS、IME問題に続いて更新プログラム配布停止の体たらく
Microsoft(以下MS)は、ユーザーからの苦情を受けて、Vista SP1を使うのに必要なソフトウェアの自動配布を停止したそうだ。MSのプロダクトマネージャーNick White氏は「この問題の影響を受けるのは、特殊な環境を構築している少数のユーザーに限られる」と述べているそうだが…
実態はかなり深刻なようだ。
ZD Netが伝えるところによると、Windows Vista Ultimateユーザーの1人は、アップデートをインストールしたところPCの調子がおかしくなり、ハードディスクの再フォーマットを余儀なくされ、すべてのファイルとプログラムを失った。このユーザーはダウンロード販売版を入手していて、CDでの修復セットアップができないらしい。また、このアップデートを既にインストールしているのに、引き続きWindows Update」によるインストールを促すメッセージが表示されるというケースが二件。新型Dell Inspiron PCでもアップデートによる問題が発生しているという。
問題は、先週リリースされたアップデート“KB937287”にまつわるもので、「Windows Vista SP1を問題なくインストール、アンインストールするためにすべてのバージョンのWindows Vistaで必要」なのだそうだ。Nick White氏のブログの記述によれば、MSはこのエラーに関する報告を受けて、これ以上のユーザーへの影響を食い止めるため、直ちに今回のアップデートの自動配布を一時的に停止する決定を下し、米国時間2月20日に自動配信を停止した。問題の発生原因については調査中だそうだ。
Windows Vista SP1正式版のリリースは3月中旬になる予定だという。
自動アップデートなのだから本来は未熟なユーザーでも安心して使い続けられるように十分な検証が事前に成されていて欲しいものだが、それもなかなか難しい。Mac OSならばハードは限られているのだが、Windowsでは星の数ほどのデバイスがあって、組み合わせは無限にも思われるほど。さらに各種のアプリケーションがこれを複雑にするから、完璧な事前テストなど不可能だ。
同氏のブログのコメントで、とあるユーザーは、サイトが重くて落とせなかったおかげで助かったといい、あるユーザーは大枚をはたいてきたのに、怠け者に困らされるのはもうたくさんだと書き込んでいるなど、多くの不満や苦情が寄せられている。
SP1やSP2といったアップデートは、慎重を期してOSのアップデートに望む人々が待っている節目なのだが、MSにしてみれば、そのアップデートを前にして思わぬ伏兵がいたものである。
Windows OSでトラブルが起きた場合に、OSが入っているドライブにあるファイルなどを救う手だてがなくなることは良くあった。だから、私自身、重要な情報は必ず他のHDDやCD、DVDなどに保管する癖がついているし、お客様や友人にもそう勧めている。OS自体についても、賢明な業務目的のユーザーはXPやWindows2000に留まっていたり、Windows2003サーバーを導入するなどしている。しかし、市中でビギナーが入手するのはVista。比較的安いXP機を選ばず敢えて高いVistaを買ったのに、それが自動アップデートによって壊されたとあれば、ユーザーの怒りも当然だろう。
おまけにもう一つ。Vistaのアップデーターにまつわる今回の問題の対策はCDでレストア(修復)することと前述のブログのツールで述べられているが、販売されているマシンの中にはHDDにそのCDであるべき内容が格納されているものがあり、自分で焼かない限りリカバリCDは手許にないユーザーもあることと思う。或いは、人から貰ったマシンなのでそうしたCD類が手許にないという方もおありだろう。そうした方々は、こういうときに手も足も出なくなることを肝に銘じてCDなりDVDなりを焼いておいて欲しいし、人にマシンをあげることがアダになる種をはらんでいることも分かっておいてもらいたい。
XPでの筆者の経験では、トラブルによっては修復がまるっきり効かないケースがあったから、今回は修復できたというユーザーがいるようだが、私には確信はないし、そもそもVista環境がないのだから試しようもない。
多くのユーザーは、例え今回のようなことが起きたにせよ、様々な理由からそれでもWindowsを使わねばならないのだろうから、こんな不幸なことはない。
それにつけても、ユーザーのスキルアップが不具合とその対応によっても成されているのは、なんとも情けないことである。
P.S.
ZDNetのbuilderでVista SP1 v.s. XP SP2のWindowsベンチマーク対決が報じられている。結果は「WIndows XP SP2のほうが速い」。どうやらますます、Vistaにする意義はないようだ。