JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
2011年4月初旬、気仙沼からの帰路に出会ったシーン
この日は宮城県の沿岸伝いに南下した。何時間走っても破壊の爪あとの中
破壊された家並みが静まり返っていた。折からの春の南風に、
どの家も破られた窓のカーテンが揺れているのが哀しかった。
被災地の静けさと、その広大さはTVなどでは伝わらなかったと思う。
沿岸部で活動しているのは自衛隊だけで精神的にもきつい任務だったことだろう。
黙々とした作業ぶりが印象的だった。
1mもあろうかという渡河や深い泥濘地を動き廻れたのはこの73式6x6だったという。
遊びの四駆のスタックは何度も見たし経験もしたが6x6の大型車両のスタックは見たこともない。
整備された国土の日本では通常そういう条件はないだろう。
液状化していたのかこの73式は脚をとられ大きく傾いた。
9トン近い重量の6x6がのたうつ姿は恐竜を思わせ、苦悩する日本を象徴するような気がした。
ドライバーの緊張した表情が見えるベストアングルがあったが、とても撮影する勇気はなく、
このアングルでやっと撮った。この後、重機によりこの73式は救出された。
執筆者: kazama
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