JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
人の行かない尾根の稜線のあたりが、いかにも魅力的に見える
あそこはどんな桃源郷だろうかと、見るたびに想像する
けれど行ってみればたいがい展望も何もなくて
ただの冬木立が静まり返っているだけ---
しかしだからこそ、いつも眺めていたあの場所に
いまこうして立っている---その感慨に充たされる。
久方ぶりに人が来たのだろうそんな場所に
腰を下ろし、弁当を広げたり菓子の袋をだしたり
その場所がひととき、ちょっとだけささやかな賑わいを見せる
そして立ち去る時、ふり返ると、もとのままの淋しい冬木立---
そこで過ごした僅かなひととき---
たぶん二度とここに来ることはないだろう---
ちょっとした恩義を感ずるその場所に
もういちど、今生のお別れをする---
---そういう山歩きは冬木立のほうが見通しが効いて好都合です
登りやすそうな尾根を見当をつけ
登りは上に行きさえすればいつか頂上だから簡単です
逆に下りは細心の注意をしないと
尾根を一本間違えたり、予期せぬ急斜面にでたり---
もうすぐ緑が濃くなって、夏が終わるまで
そんな山歩きはお休みです
執筆者: kazama
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