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春めいてきた昨日、40年の歳月を共にしたバイクが家を出て行った。

いつかいつかと思いながら、手がつかず錆びていくのがずっと気になっていた。

最近はもうこのままではないかと思い始めたおり、顔見知りの買取業者が訪ねて来た。

話してる内に、渡りに船のような、いっそこの際さっぱりしてしまおうみたいな気分になった。

私にしては思い切ったもので4台のバイクを手放した。

買取の方は手放す側の心理も理解されていて、しっかり生き返らせると言っていたが、私の元で錆びさせるよりいいだろうと自分にも言い聞かせた。

40年間も持ち続けたものは他には思いつかない。トラックに積まれて我が家を出て行く頃は月夜になった。今生の別れという気分になり、タンクに触ったら、こみ上げてくるものがあった。

テールランプを見送って戻ると各々のバイクの居場所だった空間が月光を浴びて、ポッカリと空いたスペースが胸に迫った。

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