JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
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2016年7月 の投稿一覧です。
始発のバスは乗客がいなかった。
定刻になり、見送りのためバスに向かうと、ドライバーが出発のアナウンスをしていた。
目があうと空車だからちょっと照れくさそうだった。
カッコつけの私なら見られたくない自分への儀式だったろう。
見てはいけないシーンだったかもしれないが、生真面目さが爽やかだった。
空車に流れる、今日1日のスタートを宣言する彼の声…
仕事の尊さ、日常の安全を支える心のけじめ、
バスを見送りながら、人間っていいなあと思った。
彼岸などに墓参りに行ったが三年前の33回忌をもって永代供養とし、ここに行くことはなくなった。
兄を戦死で亡くした94歳の母が区切りをつけたのだった。
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… 時代はめぐる …
なんとなく、ごく普通のセダンに変哲なく乗りたいと感じてきたのは、変わった車ばかり乗ってきたからだろう。波というのは力学的なものだか心にも当てはまるようだ。
『うちには普通の車がない』…生まれたときからジープがあり初めて運転した車もジープだった子供たちの言葉だった。
私のセダン志向は揺り戻しだが、息子がスタンダードなセダンの典型であるタクシーを買ったのは、たぶん我が家にない『普通』にあこがれていたのだろう。普通というのは退屈の象徴とされているが、それが無いとなると憧れの対象にもなるようだ。
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