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過去の投稿

2024年9月 の投稿一覧です。

2024年09月28日  | カテゴリー: 登山 | 投稿者: kazama

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40歳の記念に北鎌尾根を目指した
その頃はまだ貧乏沢からのルートはなく夜行で大町駅を降り高瀬川を遡った。朽ちた吊橋を渡り千天出会の渡渉ではロープを使った。夜行から北鎌沢出会のビバークまでの長い行動はバテた。
翌日は好天に恵まれルートファインティングを愉しみながら独標を超え,ルートに確証のないテラスで月下のビバークが沁みた。
北鎌からの槍は立って見えて登攀が気になったがチムニーも楽しく登り夏山登山者で賑わう槍の頂上へ北鎌のフィナーレ‥辿って来た高瀬川を感慨深く眺めた。ここからは一般ルート,降りに向けての一歩がヌルッと滑りヒヤリとした。北鎌の静寂から一転し,過度の登高に岩が摩滅し,加えてゴムの跡のような感触‥これは却って気を引き締めねば危ない,と緊張した。槍の登山道と言えば極度に利用され手垢にまみれ‥既に娑婆が始まっているのだ‥それが初めの一歩の感触だった。
 この山行は西穂までの予定だったが奥穂で雷雨に見舞われたのを口実に中断した,惜しいとは思わなかったが今思えば北鎌から西穂までの縦走をしたかった。

2024年09月09日  | カテゴリー: 登山 | 投稿者: kazama

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単身赴任先の静岡から、遠路北陸の能郷白山に向かった。
この頃は森林限界が低くメルヘン的な北陸の山に惹かれていた

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2024年09月02日  | カテゴリー: 登山 | 投稿者: kazama

南アルプスの蝙蝠尾根から仙塩尾根を経て北沢峠まで、テント5泊の山旅を計画した。

2日目の蝙蝠岳直下。頂上に泊まろうと思ったら激烈な雷雨に襲われ、間一髪でハイマツの中に逃げ込んだ。

翌朝、テントを撤収すると、くっきり一夜の生活スペースが浮き彫りになっていた。この狭いスペースで雨をしのぎ、漆黒の深山の夜にくつろげる。人ひとりの生活空間は本来これだけあれば十分なのだ。(笑)

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おまけに座ったままですべての衣食住を処理できる。この暮らしに慣れてしまうと、下山してすべてのことが立ち上がらないとできない日常生活がなんと億劫なことかと思えてしまう。

このザックのなかに5日間の衣食住のすべてがあり、これが家であるといえる。これを背負い単独で寝泊りしていると野生に近くなったと自負するがとんでもない。たかが夏の5日間を過ごすだけで25kgほどの大荷物になってしまう。たいして野生は手ぶらではだし、全裸?である。さらに驚異なのはそれで厳冬期もしのぎ何十年も暮らす。同じ哺乳類でありながらこの生活力の違いはなんだろうか。

しかし一夜の褥とし体を横たえた土地を立ち去るとき、普段なら感ずることのない。その地への恩義が、なごり惜しい。

「罪と罰」に罪を犯した青年が良心の呵責から大地にキスするシーンがあった。北海道の方々もよく「大地」への思いを口にする。ロシアや厳しい北国の人の心に、むしろ大地への思いが強いのはどうしたことだろう。


2013/10/12