JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.

〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN

2020年02月23日 22時22分 | カテゴリー: 総合

冷和二年 冬日本海 出雲崎から角田岬へ

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 日本海へ向かう時、甲斐の国の重鎮 甲斐駒が岳を見上げてゆく
この山の偉容に身が引き締まる想いがする 
武田の時代に甲斐から他国に遠征する人も同じ想いだったろう

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甲斐駒から北へ尾根を辿ると前衛の砦のごとき鋸岳がある
息詰まる複雑で神経質な岩稜は たおやかな赤石山脈の刃

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前代未聞の雪の少なさ 長野を過ぎ野尻湖や妙高辺りから雪になる

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濡れた道にヘッドライトが映るのが北陸の冬の情感

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 海はすべての終着点 山で生きた樹が海に辿り着く

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その骸に つもる雪

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柏崎から出雲崎への海岸にでる

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海の畑に雪が降る

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強い西風に樹木も順応する生きざま

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雪のなかでは色がとても目立つ

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海を見る その暮らし

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海に生きた人生 その想い

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沖合に竿さしゃ届く(笑)佐渡が見える 出張のあとに訪れた日
路線バスの運転手が、待ってるから景色を見て来いと言ってくれた
乗り換えが一時間半あって 何もない田んぼの中でぶらぶらした
初秋の気配漂う日本海 あの独りの時間こそが かけがえのない時 

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西風吹きすさぶ角田岬 角田山への道標が朽ちていた

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角田山に母の死後十日ほど経って登り、避難小屋にひとり泊まった
ふと目覚めるとストーブの横に母が座っていた
無言で私への穏やかな眼差し  やはり来てくれたと思った
角田山は 母の想い出が沁みついた山になった

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岬から角田山への登路 この海からあの山頂に登ってみたい

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廃材に雪。。ドラム缶に残る色 置き去られた物のストーリー

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崩壊の進むトラックにも雪

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そのなかに生きる物の色

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神はそこにいる。。。

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北陸線の通る漁村 笠島駅付近

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海運から陸路へ  壮大な8号線陸橋

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北陸線路に また雪が降り始める

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雪の降る街を。。

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食堂 いるか ソフトクリーム(笑) 寄ってみたい

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いつも通る馴染みの(笑)まだ見ぬ美容師のおばさん? 会ってみたい

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家並みが途切れる

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強い西風に完全停止のトンビ 鋭い眼力での見張り

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その美しいフォルムと天性の翼面感覚

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そのどアップ(笑) 小動物にとって天駆ける猛禽の牙 おそろしや

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米山の守護神 聖が鼻 前回はこの突端に立つべく登った
しかし先端を目前に深いギャップと細いリッジに怯え退却した

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米山の象徴 威風堂々たる米山本峰
寮で同室だった同僚が小学生のとき登った話をしてくれた
結婚式の司会をしてくれた彼の  ふるさとの山。。

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 ふるさとの 潮の香にあり 米山に。。
山国生まれの私に 海鳴りの届くふるさとの夜 
... 彼の話が心に沁みた
生い立ちこそ大切な 尊重すべきもの 
ここは私にも 無縁の土地ではない

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マディソン郡の橋ならぬ(笑)寿橋のたもと 必ず立ち寄るところ

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以前の寿橋 左の家がなくなった 
中学生の彼が この寿橋を渡ったろうか
この海沿いの街の光景に魅了され、必ず立ち寄るようになった
旅先でこういう場所は、ほかにもある。
共通するのは地味で何の変哲もないことだ
無意識のうちに、旅先では平凡な日常を求める心理になるのか。。
この街でひっそり暮らしたい ふとそんな想いがよぎる

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10年以上前の米山の街 聖が鼻も街並みも変っていない
まだフィルムの時代、フジカ6x7。モノクロで撮りプリントした
この写真を撮った時 犬の散歩の人が居た。どうということない光景
その日常の退屈さがむしろ 価値あるものと見えるのが旅の心。。
そしてそれは自分の生活の中にもあって
旅は日常の幸せを再認識することでもある

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あの犬の散歩の人はこの街のどこかに居るだろうか
そして犬は生きているだろうか。。
そんな回想をしていると、また雪が降ってきた
たちまち聖が鼻が霞んできて、瓦屋根を白くしてゆく。
たぶん来年の冬もまた、米山にくるだろう。
この地に巡る季節に幸あれと 8号線を南下した

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右に海を見て 周期的な雪雲のなかを走る

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滝の真水が凍るほどの この冬初めての寒波

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雪雲の間から差し込む光に 妖しい海の色

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次の雪雲が 沖合から押し寄せてくる

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必ず訪れる 名高の高台からの海 

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この海と空を舞台として 神の戯曲が演じられる

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空は憂い 海は嘆く 寄るべもない木の叫び

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ひゅるり ひゅるりらら~♪ 

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哀しみ本線日本海

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白い雪がこの情念の海に しんしんと降るのを見たい

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また雪雲がやってくる 筋状の雲たる所以

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海へ向かう細い径が 尽きるところ

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これより先に茫漠たる ソラリスの海*1 はるか朝鮮半島まで20200214-dsc0e7348_00001.jpg

ソラリスの海が暮れてゆく

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名高の海岸にある食堂 小学生が食卓で勉強していた また来年

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妙高を越えて帰る300km

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*注1:ソラリスの海 アンドレイ,タルコフスキーの映画
「惑星ソラリス」の人間に幻覚作用のある有機体の海
 という独りよがりでした(笑)
F
 

執筆者: kazama

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