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2014年09月18日 20時54分 | カテゴリー: 総合

彼岸花の役割

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   友人のお見舞いに.久しぶりにバイクで神奈川に向かった。

山梨との往復の道は神奈川に住んだ27年間で.たぶん300回ちかく通っただろう。

   走ってみての感覚はまだ.一昨年まで住んでいた神奈川に「帰る」というものだった。

そしてこの道の先には住み慣れた家がある気になっている。   …この感覚はいつまで続くのだろう.このさきの終生を山梨に住むとしても切り替わる時がくるのだろうか。

…道の先に思い浮かぶのは幼稚園から始まって通学する子供たちの姿だった。

   私の30歳半ばから27年間と言えばまさに人生の中核であり現役の大半である。その基盤となった家の重みと位置づけはこれからも変わらないのだろう。

    友人は元気な様子でしばらく談笑し別れた。

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…そこから住んでいた家までは10分足らず.   跡地には新築の家が建っていて子供の三輪車が置いてあった。   空間は紛れもなくその場所なのだけれどその光景には戸惑う.あの家はどこへいったのだろうという気になる。

   忽然と消えた家は.私たち家族の記憶のなかにあるだけになった。 子供達のふるさとであるこの地を離れ.若いときからの願望であった山梨を選んだ私のエゴに胸が疼く。

   家の周りの路地や散歩に来た田んぼ道など、まるで昨日も通ったような日常感覚がまだ残っていた。

   折しも彼岸花が咲き初めていた、この花には夏の名残を追い払い、時を急かすようなところがある

…その桜にも勝る毒気はしかし、この花が背負った役割でもあるように感ずる

執筆者: kazama

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