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2015年05月26日 21時58分 | カテゴリー: 総合

…    原音を聴く    …

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    パイプオルガンの原音を初めて聴いた。荘厳な響きに・何と素晴らしいPAシステムなのか…と錯覚する自分がいる。現代人は音楽の殆どをマイクやらアンプを介して聴いている。いかに電気に毒されていることか…

   およそ1人で奏でる楽器でこれほど壮大な音を出すものはないだろう。子供の頃から教会でこういう音楽に浸って育った環境を想う。

    日本でいう宗教音楽といえば雅楽になるだろうか。せいぜい年始に聴くぐらいで・その重さのない浮遊感は日本人のめざす『空(くう)』の境地を表しているように想える。それは人間を超越した高度な領域であり・それだけに庶民感覚とはほど遠いものがある。対比して西洋の宗教音楽の重厚さは・人間として避けられない苦しみや哀しみを含んだ普遍性を感ずる。

    私はいわゆるプログレッシブ・ロックと言われるジャンルが好きだったが・主にイギリス人の若者の奏でる音の異様なまでの重さに驚いた。ヘビーメタルの激しい中の極めて美しい旋律にも惹かれた。日本人の音楽に決定的にないのが、この重みだと思う。西洋人の音楽性にはこのような宗教音楽に触れてきたルーツがあるのではないか。

   この14トンあるというフランス製のパイプオルガンは竹下政権の時のふるさと創生基金で買ったという。バブル感覚の中で金の延べ棒とか日本一のオブジェとかに比べたらいい買い物ではなかったろうか。

執筆者: kazama

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