JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
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Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
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昭和18年・まだ兄が6歳の時・父と祖母に連れられ・淡路島の親戚を訪ねて行った話を聞いた。
あの時代に山梨から淡路島までの道中がどれだけの遠さだったのか…
夜行列車の果てしなさと長い停車時間の闇と静寂が記憶に残っているという。
洲本の家に泊まったと言うが、どの辺りなのだろう。
漁港だろうか、革靴の父の足元が滑り
祖母に気をつけるよう言われたこと
泊まった早朝に、父が山へ登って来たこと
坂の向こうが海だったこと・・・
それが6歳の兄の記憶の総てである。
そしてそれが、親戚との唯一の手がかりである。
親戚はその後、大阪の灘区で空襲に会い全滅したらしく
父が何度手紙を出しても音信不通になった。
もう70年以上前のある日…幼い兄と・まだ30代の父と
祖母の三人は・この洲本のどこに立ったのか
…その場所だけでも知りたかった。
洲本城址
まだ若い父は早朝に・この城址を訪れたのではないだろうか
執筆者: kazama
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