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2015年09月02日 16時43分 | カテゴリー: 総合

--- 青春18切符---沿線の風景

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 青春18切符を初めて買ったのを忘れていて期限が迫り、2日間にわたり身延線、相模線、小海線、八高線など沿線の景色を見てきた。

電車には滅多に乗ることもない私に、その光景は新鮮だった。

線路のすぐ脇に畑や土手があったり、また勝手口の様子や物置、放置された廃車など、感じとして裏側からの生活が見えている。

田舎になると耕作放棄地や間近に藪が迫り、緑豊かではあるがなにか取り残された、見放された土地のような見え方だった。

それはいかにもありふれた景色のようでいて、実際には一時代前のものであることに気づく。

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その記憶の風景と対比するのはバイパスなど車道からの景色である。そこは新しい形態の店舗が並び、どの地方でも同じような眺めである。民家にしても車道側に向いて玄関があり体面を整えている。

 昭和40年代から車社会へのシフトが始まり、今や社会は車道へ向けて変貌し、そこが表玄関という表情で形成されている。

 置き去りにされた鉄道は駅前でさえ商店街は寂れ、どの街も中心地は郊外へ移行している。

その中で道路はさらに今も建設が進み、道の駅などの施設は充実し、建設途上の道路がたくさんある。カーブがあれば橋やトンネルを堀り、莫大な資金を投入して直線にする。

そうして作った道路が、地方の過疎化や人口減少傾向により、利用者が少ない現実が目立ってきた。ガラガラな道路がそこらじゅうにある。

ここ数十年、造られてきたのは道路ばかり、いったいここまで道路が必要なのだろうか。道路自体が必要というより道路建設という事業が必要とされてきたのではないかとも思う。

国土面積に対する道路面積の比率というデータがあるなら、たぶん世界でもトップクラスではないだろうか。数十年先の労働人口減少社会に、この過剰インフラの維持管理が負担にならないか気になる。

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 皮肉なことに発展から取り残されたことが、結果として鉄道沿線に昔ながらの景観が保存されることになり、過去を旅するような懐かしさがある。

好みはローカルの単線、なかでも架線がなくてスッキリしたデイーゼル路線がいい。内燃機関が好きな私に大排気量ディーゼルの鼓動はたまらない。

危惧されるのはそんなローカル路線が人口減の乗客数減少傾向で存続できるかということ。

いつまでも山間に列車の走る社会であって欲しい。

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執筆者: kazama

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