JOURNAL SKIN
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4X5のフィルムは右上にノッチが刻んであり暗室でも手触りでフィルムの種類が判るシステムだった。
カラーバランスも一見してなにもおかしくなさそうだ。これなら安心してE100Gの最終ロット30枚を撮影することができる。現像料は一枚450円だった。30枚で13500円の出費になる。
いまどき手間暇かけてフィルムで撮影する確たる理由はない。過去には4x5といえば最高の画質を得られるフィルムサイズだったが、今ではフルサイズのデジタルシステムに抜かれた感がある。私がこうしてフィルムで撮影する理由はなにも画質を求めてのことではなく、こういうクラシカルな撮影プロセスをなぞって見たいからだ。もっと簡単にいえば、ひとえに昔なじんだカメラを使ってみたいからということになる。カメラは写真を取るための道具であり、それを使いたいから写真を撮るというのは本末転倒、手段と目的の逆転である。非合理性の極みだが趣味というのは多分にそういう面があり、そこがアマチュアの特権だといえる。オーディオシステムを楽しみたいから音楽を聴く。ジープに乗りたいから山に向かう。特定の電車に乗りたいから旅に出る、、、その他にもいっぱいありそうだ。
仕事は合理性を問われる、だからこそ趣味の領域は不合理を愉しめる心のゆとりが欲しい。
執筆者: kazama
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