JOURNAL SKIN
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〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
1973年10月半ば、登山中にみぞれ混じりの雨になり憂鬱な道のりだった。
夕刻に雨があがり月が上がってきた。厳しい寒気のなか、濡れた衣類のまま撮るしかなかった。
マミヤプレスという6X9版のカメラ。コダックのASA64のポジフィルムで30秒ぐらいの露光だったろうか、すばる(プレアデス星団)がいくらか流れて見えている。雲海のディティールを出すための長時間露光により月は完全に光があふれている。いまどきのデジタルの感度と後処理のスキルなら難なく両立できるだろう。
撮影の難しさとフィルム一本で8枚しか撮れないということが当時は当たり前だと思っていた。
この雲海の下界には、まだコンビニも携帯電話もない。これから40年、社会環境は激変した。
しかしこの雲上の月もすばるも、竹取物語の平安時代からなにも変わってはいない。
執筆者: kazama
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