JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
数日まえ午後四時過ぎの切符売場。山慣れた感じの人が
『奈良田行きお願いします』と来た。奈良田行きは午後2時半で終わっている。言うに忍びなくもそう言うと絶句した。辿り着いたゴールが更に伸びた感じだろう。奈良田までは20キロあって交通手段がない。
脱力の表情で思案するが思案のしょうがない。早朝に奈良田から縦走して降りてきたと言うから相当な健脚である。
沈黙の末に『歩きます』と言う表情には決断と覚悟が見えた。
『貴方ならいける,貴方ならできる』そう言ってやりたかった。
夏至を過ぎたとはいえ未だ日は長い,谷間いの日は早く暮れるがヘッドランプはあると言う。彼の脚なら四時間だろうか…
1640発の甲府行き最終バスから眼下に早川の谷間が一望できる。
奈良田への道を黙々と歩く彼を想像する.いいなぁ とそう想う。
いまは辛いだろうが,このことはきっと良い思い出になる。
切り抜けたアクシデントは糧になり力になる。
山という趣味が行楽と違うのはそういう所だと思う。
執筆者: kazama
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