2022年08月23日 14時40分 | カテゴリー: 登山
バットレス今昔
(ボーコンの頭からのバットレス四尾根
上端が通常マッチ箱のコル)
車掌を担当したバスに若い女性2人が乗ってきた。ザックには赤いザイル。9ミリにしては太い。聞いたら9.5ミリで50mという。2人で四尾根を登ると言うのが何とカッコいいことか。
『山ご飯』とか言う最近の向きの中で,こんなパーティも居るんだ‥私の羨望の眼差しに『参ったか』と(^^)見下されるかと思いきや
『大丈夫でしょうか』と謙虚な言葉。私を先輩と見て花を持たせたのか‥2人がたまたま,同じバス切符売場のオジサンA(^^)が50年前に最難関の中央稜を登攀したと聞き崇拝の念からの『大丈夫でしょうか』かも知れない。
バスを降りる時キリリとした面持ちで『行ってきます』ここでの意図的に儀式めいた挨拶は大切で大袈裟に言えば遭難防止への一助になるやも知れない。この2人が登攀を達成し,満ち足りた面持ちでバスに乗るのを見たいと思った。
憧れと試練 緊張と達成感 それが山の心であり
この仕事はそこに立会える善さがある
マッチ箱のコルから一旦下降する
右が50年前の切符売場のAさん(^^)
上は山岳会の重鎮Fさん
この2人のパーティで中央稜を登攀した。
Aさんより画像提供,映画氷壁っぽく加工した。
左の四尾根の上部にゾウの鼻のような中央稜
その全貌 初登攀は希代の岳人 松濤明
核心部の登攀 未だクライミングシューズは無く固いビブラムソールの時代。ボードクライミングなどなく、クライミングといえば今で言うアルパインクライミングのみだった。ゲレンデで難度を求めるのではなく、同時の言葉で『本番』の訓練の場だった。