JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
秩父山地から南下した尾根が石和で終わる末端に山崎の山がある
過去の処刑場が石切場となり、その荒廃した様が子供心に怖かった
南無妙法蓮華経と彫った巨大な石碑が立っていた記憶がある
山崎の古跡の探訪と、意味ありげな八人山へ登りたくなった
刑場があった山崎の山は現在私有地で登れない重厚な佇まい
早春の雨そぼ降るなか ここから八人山への登路を探す
雨に濡れ 歴史の染み入るような石のむこうに 甲府の市街
なにかの施設跡か あるいは畑地の石積か。。
一転して晴れた翌日 見当をつけた畑地から八人山を目指す
ブドウ園地ゆえ 軽トラの下見かと怪しまれぬバイクにする
目指す尾根に登ると 甲府のむこうに まだ雪深い白根の峰
何かの遺構。。石切りの跡ではないかと
慰霊碑か と思いきや山の神
登路を家から見える尾根への拘りから 東の尾根に移す
急峻な尾根も ひと登りで先が見えてくる 山のしあわせ
冬枯れの 明るい日差しと 木立の見通し
カサコソと ひとりの山の静けさ
見上げ憧れていた あの尾根に。。 今をかみしめる
越えてきた あの尾根
南部の山々 過ぎた日々 あの時代
空がひらける 広大な伐採地に出る
八人山の頂稜に
伐採地のむこうに 盆地の東部 慣れ親しんだ山々
尾根は北へ また続く桃源郷 いつかまた
またせたなあ なぜかバイクだとそんな気になる
山崎の古跡碑かと。。農地開拓記念碑のようだ
この陽気に誘われ 八人山の麓径をはしる
古道には梅が似合う
歩いた山は見たくなる 八人山の全貌 右の鞍部まで歩いた
結局は山崎刑場の痕跡は何一つ確認できなかった。
子供時代の、あの重い記憶は何だったのだろうか
死刑廃止の論調もあるなかで、或いは痕跡を退けたか
大小切り事件の民意弾圧の暗い歴史もあるやも
このエリアの現状はスポーツ施設が拡充し学生や子供も多い
そのなかで処刑場跡の存在は あまりに重苦しい
この春の明るさの中で 山崎刑場の痕跡は
歴史の霧の中に消えていいのだと思った
慰霊石碑を発見。
一時は石橋に使用し破損,祟りを恐れ復旧,
目立たぬ箇所に移動した説がある,
たしかに上部に亀裂がある
… 何やら不気味な佇まい
執筆者: kazama
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