JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
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11/9日で南アルプス林道は閉鎖し、最後まで運行していた定期バスも終了しました。
バス停標識が撤去され、2014年運行時刻表示をはがします。
夏場は賑わったロータリーが急に無機質になり、葉の落ちた冬木立の空間に戻ります。
シャッターを締め、無線のスイッチを切り、消灯を確認します。
次に明かりがつく8ヶ月後の6/25日まで—ここに淀む沈黙の時間を想像します。
夏の登山最盛期でも、この最終バスが出ると広河原から一気に人気がなくなり、山は夕暮れの様相になりました。
満員のバスに乗り、山を下るときふと、7月末から行方が知れず、帰らない方を想います、
人里へ下りていくこのバスに、痛烈に乗りたいだろうなあと---
ガスが降りてきて、暮れてゆく山に、その方ひとりを取り残してゆく感じがあります、
どうすることはできなくても、現地ならではの、そんな空気がありました。
そして昨日はいよいよ2014年の最終バス、路線バスというのはその土地の血流のように感じます、
この二台がそれぞれの方向に去っていき、血流がとまり、この土地は冬眠にはいります。 いや冬眠ではなく、本来の姿に戻るのでしょうか。
今年の登山シーズンは幕開け早々に林道が崩壊し、8月末までの中核期間を倍の距離の代替迂回ルートを強いられ、登山者にもバス運行にも多大な負担増になりました。
開通後も天候不順や、加えて二つの台風に見舞われ、それも週末を狙い撃ちされるようなタイミングでした。
結果9月に登山のピークがずれ込み、3連休の晴天時にはたいへんな集中になりました、これは北アルプスなどでも同様だったと聞きます。
2014年の登山シーズンの終バスは秋雨のなか、今シーズンの無事故のお礼と、登山者の安全祈願のため、バス停と山の神に塩とお酒でお清めをし、山を下りました。
執筆者: kazama
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