JOURNAL SKIN
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まだ40代のころの北鎌尾根、最近めっきり山の岩場が怖くなり、このことは大きな誤算でした。
定年退職し、子供も巣立ったらもう怖いものはない。これから難ルートや憧れていたパラセールなどをやってみたいと思っていました。
これまでに感じていた恐怖の背景には、俺には守るべきものがある、まだ死ぬわけにはいかない、という思いからくるのだと思っていました。
ところがそれがなくなった今、怖さはさらに増しています。
それは長生きしたいという思いからではなく、おそらく生物としての根源的なものでしょう。足腰の衰えによる自信のなさから恐怖が増しているのです。
恐怖心が社会的な役割という背景からくるというのは思いすごしであり、責任感の過大評価だったようです。
「人間はどこまで動物か」という本がありました。動物に社会生活を営む、人という衣を着せたのが人間です。
この先、社会への関わりが減っていくにつれ、動物としての自我に帰っていくのでしょうか。
執筆者: kazama
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