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2018年09月24日 21時47分 | カテゴリー: 登山

富士山劇場---仲秋の月あかり

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何年か前の仲秋の名月の夜---

富士山御殿場口の大斜面は私ひとりだと思ったら上部に時々明かりが見えた。

一時間程で追いつくと若物だった。

上野から歩いて三日かけて御殿場.そして登山口まで7時間かかったと言う。ペースが遅いわけが分かった。

それからは月あかりの中を二人で黙々と歩いた。午前零時を回り、岩陰で休んだ。

折からの就職難で高卒から就職できず・ならば今しかできないヒッチハイクの旅をすることにした。

---みんなが乗せてくれる…その親切が当然という感覚になりかけたから歩くことにしたという。

こんな真っ当なやつが,いや、まともすぎるから面接で落とされるのか…そう思った

彼はそこで寝ると言うので私は先に歩いた。3500mを越え、9合目あたりで猛烈に寒くなりテントに潜り込んだ。午前2時を過ぎていた。

…翌日会うかと思ったが・結局若者とはそれきりだった。月光の中で灯りを点けなかったし・フードで顔は見えなかった。

岩陰でしばし語り合い、心の琴線にふれた、名も知らぬ彼---

中秋の月を見ると.あいつ就職できたかなあ・がんばってるかなあと思う

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執筆者: kazama

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