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2016年12月02日 20時38分 | カテゴリー: 登山

小金沢連嶺 ハマイバ丸付近

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この山嶺は郷里の東の空を区切り、日が昇り、月出ずる山並みだった。

それを見て育った私にとって子供のころからのロマンと愛着を感ずる山並みだった。

ここを縦走したのは15年ほど前、息子が中学生になった年、記念にと思って大菩薩から初狩駅まで歩いた。

黒木の山が南下するにつれ、広葉樹に変っていき、所々に明るい草原状の別天地がある。

白谷丸にテントを張り、夜明けに外へ出た息子が大展望に驚きの歓声を上げたのが耳に残っている。

実際にこの尾根の展望は無類と言ってよく、新宿の高層ビル群や横浜のランドマークタワー。東京湾の向こうの房総半島。つまり海が見える。。
夜は羽田に離発着する飛行機の灯り。南東には懐かしい丹沢山塊、富士山は当たり前すぎて特筆しない(笑)

西は南アルプス全山、南端は深南部の大無限まで見える。北部には乗鞍から穂高の一部まで見え、房総半島から北アルプスまでカバーする眺めはそうそうないのではないか。

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この時私は体調が悪く、先を行く息子は度々立ち止まり私を待った。しかし体調のせいだけでもなく、息子の成長を感じた。

南端の滝子山を最後に、初狩駅に着いたのは夕方、八王子から茅ヶ崎線で伊勢原まで帰った。

息子はよく山のガイドブックを読んでいたから、きっと山登りが好きになると期待した。

やがては長丁場もともに行きたいと思った。密かに目標にしたのは北鎌尾根の独標を過ぎたあたりに、テン場にしたい僅かな平地を発見していたから、そこに息子と泊まってみたかった。

しかし息子は剣道やらバスや電車の趣味で忙しく、そんな機会はなかった。ガイドブックを読んだのは、その記述から現場を想像するのが面白かったらしい。

このハマイバ丸は妙な名前だが破魔射場という字で、破魔矢を射た場所という意味だという。

私はこのあたりの雰囲気がとても好きで、3000mの無味乾燥な稜線よりよほどうっとりする。

中学生の息子とここをあるいたのも、この時期だったろう。かさこそと落ち葉を踏みながら歩く息子の残像が蘇ってくる

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執筆者: kazama

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