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2016年12月21日 18時25分 | カテゴリー: 登山

祝冬至

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南の果てに着いた太陽が、もう明日から春に向かって北に戻り始めます。

我が家から見る南回帰線は、ちょうど南アルプスの笊が岳。夏至には甲斐駒よりずっと北上します。一年をかけて太陽は南アルプス全山を往復するわけです。

冬至というのはその折り返し点であり、他の歳時記とは違って、れっきとした天文学上の、壮大な分岐点なんですね。なんでこれを元旦にしなかったんだろうと思います。

古代人は、暗く寒い冬から、暖かい春に向かうこの分岐点を待ち焦がれ、神聖な日としていたことが、数々の遺跡からうかがえます。

私はというと、活動的な季節へ向かうのはなんとなく嬉しくなく、夜明けや夕暮れを堪能でき、縮こまっていられる(笑)この季節が好きです。

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秘峰ともいえる笊が岳に登るのはテント泊が前提となり、重荷を背負って、たぶん甲斐駒の黒戸尾根以上の標高差を登らねばなりません。

狭い山頂にちょうど一人用テント程のスペースがあり、そこには無類の展望と、太古からの夜の深淵があります。

過去に二度、この山頂に泊まりましたが、一夜の褥となった狭い大地には一宿一飯の恩義と、また愛着を感ずるものです。

我が家から南西の空に見える笊が岳に、神聖なる冬至の日が沈むのは、私にとって申し分ないセレモニーであります。

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執筆者: kazama

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