JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.

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Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN

2020年01月26日 00時28分 | カテゴリー: 単車

Bike snow trekking 

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このところ峠の古道探しでバイクを利用する習慣がつき、雪の降った後に京戸山にむかった

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降雪は10センチ程度だがバイクはジープなどの四駆より遥かに雪には弱い

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何度かスタックし、またスライドしながらも登る。セローの16Psは絶妙なトラクションをこういうシーンでは見せてくれる。

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いちばん怖いのがアイスバーンの上の降雪だが用心深く登るしかない

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何とか予定の登山口まで辿りついた

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バイクから登山装備に切り替えるが、すでに登山靴は履いてるしザックは背負っているから、そのまま歩き出せばいい。バイクと登山の相性のよさがある

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前回の反省から昔のようにロープとスリングを持つことにした。8ミリ10mでほんの一握りほど。これでも立木にダブルにすれば5mは下降できる。あとはツェルトで万一のビバークにも万全

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待っててくれ,行ってくるよ(笑)とバイクに言うのは安全登山の儀式のようなもの

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標高が上がり頃合いの獣道を使わせていただく(笑)
彼等のルートのセンスは実に無駄がなく美しい

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私の他にはこの動物のトレースだけ、珍しく尾根通し

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いつもの奥目の巨木 この眼孔の見る世界を知りたい
植物は命絶えて 更に怨念の形相。生死混在の世界

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緩やかにアップダウンする 我が郷土の盟主 京戸山の尾根

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この冬枯れにトレースを終えた 御坂山塊への尾根筋が嬉しい

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PM1430を目途に折り返しの目標としたブナの巨木
見ようによっては奇怪でなまめかしく ゾッとする

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傾き始めた弱い日差し 自分の足跡を辿り 登り返す

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この山域は概略笹子側が切り立っているが、それ故の風格がある

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いつの間にかナットウ箱山という妙な山名がある 
京戸川扇状地は縄文遺跡の一割を出土したといういにしえの土地
自らの土砂を流下し、その源をなす京戸山は、どこか雅な由緒を感ずる
その山名に、よりによってナットウ箱はないと思う(笑)

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達沢山との鞍部から谷へ ふり返る 独りきりの雪の山稜
愉しかりき けふの山路  つい牧水になる(笑)

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残照の尾根から植林地の谷あいへ 急速に暗くなる

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この銘木の下を通るとき なにがしかの気配がある

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やっと夕闇せまる谷あいに降りてくる 待ちかねるバイクを探す

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いつもながらの左に傾いたあの姿 日陰の雪の寒さはいか程か(笑)

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下りのアイスバーンが気になるので簡易アイゼンを履いたままにする
アイゼン履いてバイクに乗るのは初めて(笑)
ふとタイヤチェンと錯覚する 怖くて出した足が滑ったら恐怖の二乗になる

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下るにつれ雪が減ってきて対岸の残照にホッとする

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まだら模様の風情 バックミラーに白いものが動いたようでゾッとする
それを振り返り見る自分の行為が更に不気味さを増す
何やってんだオレ(笑)やはり山を降りるとき、追いすがる気配がある
ひとりの私を取り逃がした死神の未練なのか 自重せよの気か

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最近増してきたこの気配 老いにしのび寄るものと受け止める

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すっかり雪がなくなり アイゼンを脱ぐ バイクで帰ることの充実感

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ふとメーターを見ると20000km..やっと2万キロ。。このセロー225は根津甚八さんから娘の手に渡り、我が家に残った来歴である。軽トラを手に入れた構想はセローを積んで登山口に降ろし、山を縦走してセローで軽トラに戻るという、姑息な発想だった(笑)案の定一度も実現せずにいるが、どうもその行為は美しくない。半面バイクでの山登りはこれもアプローチの大幅短縮があって小ズルいかもしれないが、スタイルとしてはシンプルでいい、それに家に帰るまで登山が終わらないようなハードさと野趣がある。テント一式のザックを背負えば移動と居住一式が極めてシンプルに実現する。そんな野趣な旅をしたいと想うのだが、元来の計画性のなさ、いったいいつになったらやるのだと自分に言うだけである

執筆者: kazama

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