JOURNAL SKIN
by : DIGIHOUND L.L.C.
〒658-0001
Higashinada, Kobe, Hyogo JAPAN
バイク好きのバスドライバーが同僚の仕上げたGT380に跨がる…
おもむろにエンジンをかけ、猛烈なピックアップでアクセルを煽った。黒い集合管からけたたましい排気音…
彼は横浜の名門(笑)⚪️族グループのメンバーだったという。
40代と思われる彼は、しかしバス乗務のさい、お年寄りや体の不自由な人など、乗客にとても優しい。
無線から彼の、バスから降りた乗客が次に乗るバスのドライバーにまで配慮を頼んでいる声が度々聞こえる。
姿が見えないだけにその優しい心が沁みて、殺伐としたこの世のともしびみたいな思いがする。
あの優しさはどこから来るんだろう…たぶん若いときの行為と関係あるのではないか。
…同窓会などで度々思うのは手のつけられなかったいたずら小僧が、驚くほど器の大きな紳士になっていることだ。成長過程でやり尽くした上での落ち着き…そんな風に思える。
バイクメーカーを職業とした私はその種の改造バイク好きの人たちのことを苦々しく見ていた。その彼の意外なやさしさに私は惹かれた。
...そして自分をふりかえる… 羽目を外せなくて優しそうに見えるらしいが、その分他人への関心が薄く濃い関係を好まない...結局は薄情なことを見破られる…
そんな私とは対極なヤンキー男に秘めた意外なやさしさ… どっちがハートを掴むかは明白である。
執筆者: kazama
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