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2014年12月18日 20時03分 | カテゴリー: 総合

         惜別の唄

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遠き別れに   耐えかねて

この高殿に   登るかな

悲しむなかれ   わが友よ

旅の衣を    ととのえよ

島崎藤村の、この歌には、抑制した情感がある


   同僚が退職するので、退社いらい久々に会社を訪ねてきた

かっては感じなかった、職場特有の空気感が懐かしかった。

5年ほど通勤経路として歩いた中世の城跡、久能城を訪ねてみた。

まだ階段の歩幅や傾斜感を脚が覚えていて、蘇るものがある。

深い井戸があり、当初は退社の夕暮れ時など、その気配に総毛立った。

月見に訪れたり、冬至の晩にはテントで泊まり、ここに流れる時間に浸った。

   天守の台地から会社がみえる、同僚が次第に退職し、北海道や沖縄へ帰って行く

生活の基盤となり、人生の中核をすごした職場が、しだいに縁遠いものになってゆく

この城跡にも、そんな淡々とした時間が流れ去り、いまに至っていることを想った

執筆者: kazama

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