天空見張人

   富士山は多分２０回ちかく登ったでしょうか。

体力訓練と頂上に泊まるのが目的で時期は９月か１０月、山じまいの後ですし、この時刻は誰もいません。

日本最高点に一人とり残された気分を堪能するつもりでした。

行動中はいいのですが高山病に弱い体質らしく、吐き気に襲われ、孤独な夜を楽しめたことがありません。

加えて精神がトーンダウンし人生が灰色に見えるのが私の症状です。

山なんか何になる、もう辞めて写真を撮るかと思います。

そして次には写真のどこが面白いのか、、となります。そんな退廃的な夜を過ごしました。

８合あたりに降りると回復するのはわかっているので、そんなウツ状態の自分を観察するという、

人体実験のような行為を繰り返しました。

何とか順応し、克服しようとしたのですが年々ひどくなるばかり、おまけに死亡した人のニュースもあり、

もしや脳に低酸素の障害でも残るといけません（既にそうかも）。

   世界遺産に登録されたこともあるし、もう頂上テントは自重しようと思います