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2023年08月03日 18時58分 | カテゴリー: 総合

 夢のなかの北欧

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 髪の毛を洗っていたら突然ある風景のイメージが怒涛のこどく頭を占領した。
こんなことは初めてで、その唐突さと強さに『なにこれ?』と声を出した。
 それは過去に見た風景で、高い木のない殆ど草原状の緩やかな起伏のある大地に、地下にある家々の入り口が地表に覗いている。核戦争に備えて地下の都市構造になっているらしい。
背の高い男に案内され降りて行くと学校の教室になっていて、これからこんな街にしていくと説明をされた。
海に面した北欧のどこかの街らしく湾の向こうに伊豆の大室山のような美しい山があった。
‥明るさはないが知的に沈んだ魅力的な土地だった。
‥ この風景はテレビのドキュメンタリーで見た記憶かと思ったが,こんな街があるわけがない。
半年ぐらい前に見た夢の中の町なのだが、それが何故いま再現されるのか不思議だ。
想うのは夢の中のイメージはディテールに具体性があり、かつ体感的であることだ。
背の高い男の白髪混じりの髪とか内面的ニュアンスが肌触りのように伝わってきて、しかもずっと強く保持される。
 過去のことが増えてくるにつれ、あれは現実ではなくてもしや夢の中のことか,みたいなことが多くなった。ことに幼少期の記憶はたぶん半分は夢ではないだろうか。そして夢の記憶だけが強く残り,記憶が次第に『夢化』してゆく気がする。これが呆けだとしたらまんざらではない。夢だけが残ってゆく‥そう想うと夢は内面の結実なのかとも思える。自己の感性の結実が夢として現れる。
いい夢を見るために現実の生活がある‥
それは中々いい逆転ではないだろうか。
夢は暗くても美しく,そしてどこか幸福感がある。
 人生はうたかたの夢の如し‥と誰かが言った。
人生そのものが夢だったような境地に達することができるなら、それが呆けであろうが魅力的な気がする。


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執筆者: kazama

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