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2018年06月27日 17時24分 | カテゴリー: 登山

未知の尾根から源次郎岳へ

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(毎日北東に眺めている山稜は無名でも歩かねばならない気になる)

( 6/17 下見 )

恩寂峰から源次郎岳までは登山道があるが、その南隣にも顕著な尾根がある。

知人がお勧めだというので尾根の取り付きを探しにいった。

末端は畑で終わっていて厳重な獣除け柵が張り巡らされている。

ちょっとした谷を横切り柵の内側に出て登り易そうな箇所を探すが草いきれの深い藪しかない。やけくそで強引に登ると荒れた伐採跡に出て倒木を縫うと尾根状になり空き缶があってホッとした。

小一時間も登るとなんと車道跡が右から上がってきていた。先の尾根には充分な踏みあとがある。

この車道跡まではバイクで来れる。その入り口は下っていけば解る。そうすれば厄介な末端を登らずに済む。

果たして下るにつれ道は確かになりゲートのロックを外し車道に出た。次回の本番はかなり有利になった。

( 6/25 未知の尾根を源次郎岳へ )

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 下見で好条件を得て気が緩みつい出発が遅れた。バイクで尾根上まで行けることのなんと心躍ることだろう。

ゲートから上はかなりの傾斜とタイトターンが若い時のようにこなせず無様なライディングだった。それでもあっという間に尾根上に出て平地に止める、ここにバイクが来たのはおそらく初めてだろう。

その後の未知の尾根歩きは藪も倒木も不明瞭な地形もなく、ヒグラシの声の中、静寂郷を歩いた。

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家から見える大きなピークを越えるとき、いまあそこを歩いているという、山登りの原点といえる感慨に浸った。

ピークを越えた所で初めて視界が開け、谷を隔て日川尾根の南部が見えた。

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( 威風堂々の自称妙見山 )

真正面が武田信虎ゆかりの妙見尊が祀ってある山で個人的に(笑)妙見山と呼んでいる。

私が幼少のころ、この山に不思議な光をみて、四百年を遡り同じ光を信虎が見たことが妙見尊を祀った契機になったというからミステリアスである。この話はまた稿を改め紹介したい。

 そこから尾根は緩降下し、細かいアップダウンののち恩寂峰からの尾根に合流した。

私が来た尾根は進入禁止のロープが張ってあり、キリガ尾根となっていた。

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(源次郎岳の全容が現われる こう見えてなかなかの急傾斜)

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そこから一旦下ったあと、源次郎岳までは標高差200mを超える急傾斜で至る所にロープが張ってあった。

いったい恩寂峰から源次郎岳なんていう地味なルートを歩く人がどれだけいるのだろうか。。

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(木の根なのか岩なのか混然一体となった年月)

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辿り着いた源次郎岳は展望の目的なのか無用に切り開いていて昔のような幽邃なピークではなくなった。
山は登山者だけのものではなく、また登山が展望を求めるだけのものではない。

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(日川尾根の盟主のようなブナの巨木が至る所にある)

折角だからと、けじめなような気分で日川尾根の稜線まで行き、再び源次郎から急坂を降り、キリガ尾根を帰った。

尾根の上に場違いなバイクがポツンと。。さぞ動物たちは警戒しただろう。

またバイク自身の見え方も単なるマシンを越えて、ここで私の帰りを待っていたように感じた。

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辿った山稜の見え方は昨日までと違い親近感と懐かしさがある。

そんな山々の明け暮れのなかで暮らす幸せをかみしめる(F)

執筆者: kazama

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